こんにちは。山梨で唯一の「膝の痛み・坐骨神経痛」専門のももたに整骨院の桃谷です。膝の痛みに悩まされている方の中でも、長年治療を続けてもなかなか改善に繋がらず辛い思いされている、重い症状の方も多く当院に来院されています。
当院へ来院されることで長年の膝の悩みが快方へ向かわれる方の中で、今までの治療とは違うアプローチを取る当院の治療方針の中でも、驚かれる方も多いのが「食事法」に関するアドバイスです。
膝痛を根本的に改善するためには、実は食事法にも目を向けることが重要だ、ということはあまり知られていません。では、どのような食事によって膝痛を招き、また、どんな食事法に変えると、膝痛が改善するのでしょうか。当院の治療のケースを踏まえご紹介していきたいと思います。
はじめに
みなさんは、膝痛を改善するための食事というと、どのようなことをイメージされるでしょうか。ヒアルロン酸やコラーゲン、コンドロイチンなどを摂取すると、膝によいと考えられているかも知れません。
確かに、ヒアルロン酸やコラーゲン、コンドロイチンなどは、軟骨を構成する成分なので、摂取することによって、膝痛を改善できるような気がしますよね。
ただ、口から入った栄養素は、いったん消化酵素によって分解されます。また、経口摂取したヒアルロン酸やコラーゲン、コンドロイチンが、選択的に膝へと向かう訳でもありません。
サプリメントのコマーシャルなどをよくみてみると、小さな字で「個人の感想であり、効果を保証するものではありません」と書かれています。
溺れる者は藁をもすがるなどといいますが、何もそのようなサプリメントを批判するつもりはありません。ただ、特定の栄養素だけを摂取して、なんらかの症状が改善すると考えるのはいささか浅薄とくほかありません。
私たちが摂取すべき栄養素は、例えるなら木で作られた桶のようなものです。木の桶は長方形の板を箍(たが)で締め付けることによって、水漏れを防いでいます。
その1枚1枚の板が栄養素だと考えてみてください。どれか1つの栄養素が欠けても(板が欠けても)、栄養を効果的に摂取できなくなる(水漏れする)という訳なのです。
今回紹介する食事法も、「○○を食べれば膝痛が治る」などといった、魔法のような食事法ではありません。日々の積み重ねによって、膝痛を予防するための食事法であるということを覚えておいてくださいね。
膝痛の原因
膝痛を予防するための食事法について紹介する前に、そもそもなぜ膝痛が発生するのかについて知っておきましょう。それによって、何を食べればいいのか、何を避ければいいのかが分かってくると思います。
外傷
膝痛の分かりやすい原因としては、外傷があげられます。たとえば、膝を捻ったときに靭帯を傷めたとか、転んだ時に膝をぶつけたなどといったケースです。
外傷の程度によっては手術が必要なケースもありますが、通常のケガであれば、しばらく安静にしてリバビリをおこなうことで、機能が元に戻っていきます。
筋力の減少
膝痛の原因としては、筋力の減少もあげられます。膝には大腿四頭筋をはじめ、さまざまな筋肉が付着しています。ところが、運動不足や加齢によって筋力が減少することで、膝にかかる負荷のバランスが変化します。
中高年以降に特に良くみられるのが、膝蓋腱炎や変形性膝関節症ですが、そのような方の膝を見てみると、特定の筋肉ばかり緊張しているがよく分かります。筋力が弱くなったところと、筋力を維持しているところとの齟齬が生じ、それによって膝痛が発生する訳なのです。
体重増加
膝痛の分かりやすい原因としては、体重の増加があげられます。体重が増えれば、それだけ各関節にかかる負荷は増大します。特に膝関節を曲げ伸ばしする際に、体重が増えると大きな負担がかかることとなります。
ただし体重増加したからといって膝が必ず痛くなるわけではないですよ。体重が80キロや100キロある人でも膝が元気な方はたくさんいますよね?一つの要因には間違いないので気をつけるポイントではあります。
膝痛を招く食事法
膝痛の主な原因について知って頂いたところで、膝痛のリスクを高める食事法について紹介していきたいと思います。以下のような食事法を続けていると、膝痛のリスクが高くなりますよ。
栄養バランスの悪い食事
膝痛のリスクを高める食事法としては、栄養バランスの悪い食事を摂ることがあげられます。先ほども紹介したように、栄養というのは木でできた桶のようなものです。どれか1つが欠けても、効力を発揮することができなくなります。
たとえば、骨を強くするためにはカルシウムを摂取するとよいなどと言われますが、カルシウムの吸収を助けるためにはビタミンDの摂取が欠かせません。
コンビニ弁当やファーストフードばかり食べていると、いわゆる「ドロドロ血液」になり、全身の血行が悪くなってしまいます。
血液は全身に酸素と栄養を運んでいるため、血行が悪くなると栄養状態が低下し、回復力も低下するのです。そのような状態が続くと、膝痛のリスクも高まることとなりますし、回復にも時間を要することとなります。
主食の摂りすぎ
みなさんの中には、白米が大好きとか、毎日の食事にパンは欠かせない、ラーメンがやめられない、などという方もいらっしゃることと思います。
実は、ご飯やパン、麺類といった主食を摂りすぎると、脂肪が付着しやすくなるのです。主食には糖質がたくさん含まれており、それが私たちの身体や脳のエネルギーとなります。
そのため、「炭水化物(糖質)はエネルギー源」だと言われるのですが、糖質の過剰摂取こそが、肥満の原因であることが分かってきています。
体重が増加すればそれだけ、膝の曲げ伸ばしの際の負担が増加します。主食が大好きという人は、糖質の摂取量に気をつけることが重要です。
夜遅い時間の食事
最近の研究によって、昼間にご飯を食べるより、深夜にご飯を食べるほうが、太りやすいことが分かってきています。それでなくても、遅い時間の食事は胃腸に負担をかけ、睡眠の質を低下させてしまいます。
膝痛を予防するための食事法
それでは次に、膝痛を予防するための食事法について見ていきたいと思います。膝痛を予防するには、人間が本来持っている自然治癒力を高めるのが一番の近道です。
消化によい食べ物を摂る
膝痛を予防するための食事法としては、消化によいものを食べるということがあげられます。よく「腹もちがいい」などという言葉が使われますが、腹もちがいいといのは、裏を返せば消化に悪いということです。
消化に悪いものを食べると、消化しきらないうちに次の食事を食べることとなります。結果、消化しきれないものが脂肪へと変化し、体重が増えてしまうのです。
主食と副菜のバランスを考える
先ほど、私たちが太る原因が糖質の過剰摂取にあると説明しました。そのため、食事をする際には主食と副菜とのバランスを考えるようにしましょう。
どうしてもご飯が食べたいという人は、白米ではなく玄米や雑穀米にするとよいでしょう。パンは全粒粉のものにし、麺類もなるべく糖質の含有量が少ないものを選びましょう。
不飽和脂肪酸を摂取する
食品に含まれる脂肪には、大きく分けると飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類があります。中でも不飽和脂肪酸は、いわゆる「血液をサラサラにする」ことで知られています。
サバやイワシといった青魚や、オリーブオイルなどに不飽和脂肪酸が多く含まれています。生活習慣病予防のためにも、積極的に不飽和脂肪酸を摂取するよう心がけましょう。
必須アミノ酸を摂取する
必須アミノ酸はアミノ酸の中でも、私たちの体内で合成できないタイプのアミノ酸を指します。そのため、食品から摂取する必要があります。
必須アミノ酸は成長ホルモンの分泌を促し、筋肉を作ったり、骨の量を維持したり、肝臓の働きを活発化させたりするため、欠かすことができないものです。お肉もある程度は食べた方がよいと言われるのは、お肉に必須アミノ酸が多く含まれているからです。
まとめ
今回は膝痛を予防するための食事法について見てきましたが、生活習慣病を予防するための食事法となんら変わりがないことをご理解頂けたのではないでしょうか。
生活習慣病を速攻で治すような食品がないのと同様、膝痛を速攻で治すような食品も存在しません。膝痛を予防するためには、日々の栄養バランスに気をつけるのがもっとも効果的ということですね。