こんにちは。山梨で「膝の痛み・坐骨神経痛」専門のももたに整骨院の桃谷です。日本は長寿の国と言われますが、皆さんの周りに病院通いをしていない元気なお年寄りの方はどれくらいいらっしゃるでしょう。長生きをしてめでたいと言われても、不健康では仕方ありませんよね。そこで今回は、健康寿命と不健康期間について考察してみたいと思います。
日本人の平均寿命はどれくらい?
日本は長寿の国として知られています(男性は世界3位、女性は世界2位)が、それでは日本人の平均寿命はどれくらいなのでしょうか。
男女ともに80歳超え
厚生労働省の「簡易生命表」によると、2017年の男性の平均寿命は81.09歳、女性の平均寿命は87.26歳とされており、いずれも過去最高を更新したということです。
寿命が延びたなんて、とてもめでたいこと…とも言いきれない事情が実はあるのですが、それについては後ほど詳しく紹介したいと思います。
平均寿命とは
みなさんは、平均寿命って何かご存知でしょうか。「亡くなったときの平均年齢じゃないの?」と思われる方が多いと思いますが、実は、そうではないのです。
たとえば、2017年の男性の平均寿命(81.09歳)とは、2017年に誕生した赤ちゃんが、おそらく生きられるだろう平均的な年数を算出したものなのです(算出法は不明)。つまり、現在30歳の男性があと51年生きられるという訳ではないのです。
健康寿命と不健康期間
最近になって、「健康寿命」という言葉をよく耳にするようになりました。また、それにともなって不健康期間という概念も登場しています。それぞれどのようなことを意味するのでしょう。
健康寿命とは
健康寿命とは、医療や介護に頼らずに、自立した生活を送れる期間のことを意味します。日本人の場合、男性の健康寿命が71歳、女性の健康寿命が74歳とされています。
つまり、平均寿命と健康寿命との間には、男性でおよそ10年、女性でおよそ13年の乖離があるという訳なのです。
不健康期間とは
不健康期間とは、平均寿命から健康寿命を引いたものを指します。先ほど述べたように、男性の場合で10年間、女性の場合で13年間の不健康期間があります。
ただし、人生最後の10年なり13年が、ずっと寝たきりになるという意味ではありません。だって、男性の健康年齢が71歳なんて、あまりにも違和感がありますよね。
男性の71歳なんて、まだまだ元気な人が沢山いらっしゃいますし、74歳の女性にもまだまだ元気な人が沢山いらっしゃいます。
そうではなくて、不健康期間とは生涯にわたって、医療や介護を受けていた期間のことを指すのです。たとえば若い頃に盲腸の手術を受けて入院していれば、それも不健康期間に含まれるという訳です。
とは言うものの、高齢化が進んでいる日本において、介護問題はとても深刻となっています。明治安田システム・テクノロジー株式会社の「介護の森事業部門」の調べによると、要介護期間は平均して5年続くということです。
日本と海外の寝たきり事情
高齢化が進む日本で、これからますます問題になるのが「寝たきり問題」です。寝たきりになると、筋力が低下して歩けなくなるばかりでなく、認知症を発症するリスクも高くなります。では、日本と海外の寝たきり事情について見ていきましょう。
日本の寝たきり人口
日本では、寝たきりで人生の終幕を迎える人が150万人から200万人いると推計されています。また、日本では寝たきりになって自分で食べ物を嚥下できない人に、「胃ろう」をおこない、栄養を補給しています。
欧米には寝たきりの人がいない!?
福祉関係の著作を読みあさっていると、デンマークやスウェーデンなど、福祉の先進国には寝たきりの人がほとんどいないということです。また、アメリカやオーストラリアでも、寝たきりの人はほとんどいないそうです。
福祉というと必ず登場するスウェーデンについて見てみると、65歳以上の人で、日本でいうところの老人ホームのような特別住宅に暮らしているのは、わずか6%にしかすぎず、その他は自宅で介護を受けているということです。
また、日本ではあたり前のようにおこなわれている「胃ろう」も、海外では人間の尊厳にかかわるとされており、国によっては「虐待」だととらえられるケースもあります。
そのため、スウェーデンをはじめとした福祉先進国では、できる限り自分の意志で食べられるよう、徹底した嚥下訓練がおこなわれています。
死というものに対する概念や宗教の違いなどがあるため、一概にどちらがよいと決めつけることはできません。ただ、日本人の中にも無理な延命治療を断る人が増え始めているようです。
健康寿命を延ばすための3カ条
長寿自体に長く人生を楽しむためには、「ピンピンコロリ」が重要です。元気でいなければ、コロッと自然死を迎えることもできないからです。そこで、健康寿命を延ばすための3カ条を紹介しておきたいと思います。
ストレスをため込まない
健康寿命を延ばすためには、ストレスをため込まないことが重要です。「ストレスは万病のもと」などと言われるように、さまざまな疾患のリスクを高めます。
正確なデータがある訳ではないのですが、難病と言われる関節リウマチやパーキンソン病などを患った際に、「なんで自分だけこんな目に遭わなければならないのだ」とネガティブに考える人は、症状の進行が速いそうです。
反対に、「病気になってしまったものは仕方がないから、なるべく前向きに考えよう」とポジティブに考える人の場合、病気の進行がゆっくりだという傾向があるそうです。
これだけ医学が進歩しても、まだまだ原因が分からない病気はたくさんあります。ただ、原因不明な病気のリスクファクター(危険因子)として、しばしばストレスの存在があげられます。いつまでも健康でいるためには、ストレスを管理することが重要だと言えそうですね。
適度に身体を動かす
健康寿命を延ばすためには、適度に身体を動かすことも重要です。介護が必要となるケースで多いのが、転んで足の骨を折るというケースです。
若い人ならともかく、年をとってから骨折すると、しばらく寝たきりとなります。その際に、認知症を併発するケースがとても多いのです。そのため、普段から身体を動かして、筋力や運動神経を維持することが大事なのです。
生活習慣病を予防する
あたり前といえばあたり前ですが、生活習慣病を予防することも、健康寿命を延ばすことにつながります。先にも触れたように、病気の治療をおこなっている期間は不健康期間となります。
不健康期間が長くなれば、相対的に健康寿命が短くなってしまう訳です。若いうちから食事内容に気をつけ、適度に身体を動かし、ストレスをコントロールして、健康寿命を延ばすようにしましょう。
まとめ
健康寿命について考察すると、どうしてもネガティブな話題が出てきてしまいますが、特に日本人には「死」に関する話題を忌避する傾向が見受けられます。
ただ、どのように死にたいかということは、どのように生きたいかということの裏返しでもあります。いつまでも健康でいられるよう、一度、自分の死と生に関して考えてみるのもいいかもしれません。